2024/02/04

訪問看護の地域連携戦略|事前準備や営業のポイントについて

訪問看護の地域連携を成功させるためには、徹底した事前準備と戦略的な営業アプローチが重要です。この記事では、効果的な地域連携戦略について、事前の準備や営業のポイントを中心に解説します。訪問看護の運営を円滑に進めるためにも、参考にしてみてください。

訪問看護の営業とは?

訪問看護ステーションは、営業活動にて成り立っています。地域連携・営業を蔑ろにしないことが事業成長のカギです。ここでは、訪問看護営業の目的や営業先の選定を解説します。

(1)訪問看護営業の目的

訪問看護の営業目的は利用者の紹介です。訪問看護の運営は利用者の数で決まり、この利用者はケアマネジャー・ソーシャルワーカー・退院調整看護師・相談支援専門員などとの地域連携活動を通じて紹介につながります。したがって、訪問看護の営業は利用者(患者)ではなく、仲介役・調整者であるケアマネ等にに対して行い、自社の事業所を覚えてもらうことが大切です。

(2)営業先の選定方法

訪問看護の営業先には、病院や地域包括センター、相談支援事業所、居宅介護支援事業所などが挙げられます。これらの営業先はすべて重要ですが、優先順位をつけて営業をかけることが事業所の運営に有益です。重要なのは自社がターゲットにしている利用者とつながりの深い営業先を優先することです。これにより、営業先へより効果的なアピールができるため、利用者の獲得につながります。

訪問看護の主な営業先

訪問看護ステーションの主な営業先は以下の5つがあります。各営業先で紹介につながる

利用者層が異なるため、営業先の特徴を理解することが大切です。

(1)居宅介護支援事業所

居宅介護支援事業所とは、要介護1以上の認定者の在宅介護に関する相談、計画、連絡等を総合的に支援する事業所です。要介護の認定を受けた人へのケアプランを作成するケアマネジャーが在籍しています。そのため、介護保険サービスが対象の利用者を獲得したい場合は、居宅介護支援事業所のケアマネジャーへ営業を行うことが必要です。

(2)地域包括支援センター

地域包括支援センターは、保険の種類を問わず、地域のすべての高齢者が対象の相談窓口です。ここには、保健師や主任ケアマネジャーが在籍しており、地域包括支援センターとの関係を築くことで病院や居宅介護支援事業所とのつながりを持つことができます。

(3)クリニックや診療所などの医療機関

クリニックや診療所などの医療機関は、訪問看護指示書を発行する重要な営業先です。医師との交流を図ることにより、在宅医療を必要とする利用者の獲得につながります。また、診療所には訪問診療を行う在宅療養支援診療所があり、訪問看護師と関係を築くことで円滑な連携を図ることが可能です。

(4)病院の地域医療連携室・退院支援室

病院内に設置されている地域医療連携室や退院支援室は、訪問看護ステーションの重要な営業先です。医師や看護師はもちろん、理学療法士、作業療法士、医療ソーシャルワーカーが在籍しており、良好な関係を築くことで自社のターゲットに適した利用者の獲得につながります。とくに退院支援室は、患者が退院後に適切な医療や介護が受けられることを目的に、地域の医療機関や介護福祉施設との連携を図っています。そのため、退院支援室への営業は非常に重要です。

(5)各都道府県の訪問看護協会

各都道府県に設置されている訪問看護協会では、訪問看護ステーション間の連携を図り、在宅医療の推進や情報交換等が行われています。訪問看護ステーションの管理者や医療従事者と交流できる重要な場所であり、積極的に顔を出すことにより自社の認知度の向上はもちろん、病院やケアマネジャー等の情報を得ることができます。

訪問看護営業の事前準備について

訪問看護営業で成果を得るためには、事前の準備が重要です。準備すべきものを中心に、営業の事前準備を解説します。

(1)営業先の選定とリスト化

訪問看護の営業前には、自社がターゲットにしている利用者の紹介につながる営業先を選定し、リスト化することが大切です。そのためには、地域にある営業先の件数と、各営業先の特徴を把握する必要があります。また、営業先を把握した後は、地図上にマッピングすると、利用者宅への訪問の合間に営業へ行けるなど、営業と介護業務を効率よく行うことが可能です。

(2)自社の強みやアピールポイントの整理

営業先へ訪問した際、自社の強みやアピールポイントを伝えることが大切です。そのためには、事前に自社の特徴やアピールポイントを整理し、どんな質問でも回答できる状態にする必要があります。在籍している医療従事者の特徴、他社との違い等を事前にまとめておくと、営業先に好印象を与えることができます。

(3)営業トークスクリプト

自社の強みや特性をアピールするためには、しっかりとした言葉でのコミュニケーションが重要です。しかし、営業経験がない方や、話すのが苦手な方は、自社の特性を理解していても上手に伝えることができない場合があります。そのため、さまざまなパターンを想定した営業トークスクリプト(あらかじめ話す内容や話す順序をまとめたマニュアル・台本)を準備し、イメージトレーニング等で繰り返し練習することが大切です。営業トークスキルが身につくと、営業先へ伝えたいことを的確に話すことが可能となります。

(4)パンフレットや営業チラシ

訪問看護営業では、自社の魅力やサービスを的確に伝えるために、事前にパンフレットやチラシの準備が不可欠です。これらの資料は営業活動をサポートする強力なツールとなり、営業先の担当者にわかりやすくアピールできます。

(5)営業の進捗管理シート

営業活動は、いつ・どこへ・誰が訪問したかなど、営業記録を残すことが重要です。また、営業は活動に応じた利用者の紹介が求められます。そのため、現在の営業進捗がわかる管理シートを作成する必要があります。また、営業の進捗管理シートは現状の獲得件数の把握だけでなく、見返すことで課題や改善点の分析に活かすことができます。

CareMakerは、新規依頼数の増加に貢献する地域連携クラウドを提供しています。全国の営業先リスト・データベースを標準搭載することに加えて、地図上のマッピングも済んでいるためサービス利用から手間なく営業活動をなめからに行うことができます。

「いつ・どこへ・誰が訪問したのか」進捗の管理も定量的に振り返りが可能な実績管理ダッシュボードもあるため、振り返りや次月以降のアクション計画をスムーズに立てることにつながります。

訪問看護営業のポイント

訪問看護の営業で成果を出すためには、ポイントを押さえて効果的に営業をかけることが重要です。ここでは、訪問看護営業のポイントを詳しく解説します。

(1)訪問前にアポイントを取る

訪問看護営業において、医師やケアマネジャーの多忙なスケジュールを考慮し、事前にアポイントを取ることが必要です。アポイントを取ることで、営業先担当者との対話に十分な時間の確保につながり、自社の強みやアピールポイントを効果的に伝えることができます。また、アポイントを取る際は営業先の都合を優先させることが大切です。営業先からの印象がよくなり、利用者の獲得につながります。

(2)顧客が知りたい情報を伝える

医師やケアマネジャーなど、営業先の方が知りたい情報をしっかり伝えることが重要です。具体的な情報は、以下のものが挙げられます。

  • 営業時間・休業日
  • サービス提供可能エリア
  • サービス提供エリア外の対応
  • 受け入れ可能な利用者の特徴
  • 在籍しているスタッフの特徴
  • 事業所の空き状況
  • オンコール対応・24時間対応

これらは営業先の方へ伝える基本的な情報です。自身の言葉だけでなく、パンフレット等のツールを活用して、積極的にアピールすることが大切です。

(3)自社の強みを簡潔に伝える

訪問看護の営業先の方は、非常に多忙で営業との時間の確保が難しいです。そのため、自社の強みを伝える際は要点をまとめて簡潔に説明することが求められます。そのためには、近隣にある同業者とのサービスを調査し、自社との違いを明確に把握しておくことが大切です。また、それらの情報をもとに要点をまとめた営業トークスクリプトを作成することがおすすめされています。それにより、営業先の方に時間を取らせず、必要な情報を的確に伝えることができます。

(4)可能な限り質問をする

営業先の方に余裕がある場合は、できるだけ質問をすることが大切です。質問は、相手との関係を深めるための効果的な手段であり、相手に興味や関心を持っていると印象づけることができます。しかし、専門的な難しい質問である必要はありません。たとえば、居宅介護支援事業所のケアマネジャーに対して、その事業所や施設に関する簡単な質問をすると良いです。これにより、相手は心を開いてしっかりとコミュニケーションをとってくれます。些細な質問が利用者の獲得につながることもあるため、できるだけ質問することを心がけてみてください。

(5)定期的に営業先を訪問する

訪問介護の営業において、利用者を獲得するためには、定期的な営業先の訪問と交流が重要です。しかし、訪問する頻度が高すぎると、かえって印象を悪くする恐れがあります。そのため、月に1回程度を目安に営業先を訪問してみてください。定期的に営業先を訪問することによって、自分の顔や自社の事業所を営業先に覚えてもらうことができます。とはいえ、単に営業先へ顔を出すだけでは意味がありません。事業所のパンフレットや最新の空き情報を伝えることが重要です。顔を覚えてもらうことは良好な関係を築き、利用者獲得につながるカギといえます。とくに、新しくオープンした事業所は、定期的な営業先訪問が効果的です。

まとめ

訪問看護ステーションは、営業による利用者獲得が運営の基盤です。病院・診療所・介護施設などを定期的に訪問し、良好な関係を築くことが仕事の依頼増加につながります。また、単に営業先へ顔を出すのではなく、利用者の獲得という明確な目的をもって行動することが重要です。そのためには、近隣の事業所を調査、営業トークスキルの向上、営業に欠かせない自社のチラシやパンフレット作りなどの事前準備が欠かせません。しっかりとした準備とポイントを抑えた効果的な手法で営業を行うと、多くの利用者獲得に期待できます。訪問看護の営業をされている方は、今回紹介したポイントを参考に取り組んでみてください。

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